解説書の一部】 モンゴルの響き1/ホーミーとオルティンドー
1989年春の中ソ関係の正常化によって、モンゴル民俗芸術の輪も広がった。
ひとくちにモンゴル人と表現されていますが、その中にはモンゴル人民共和国籍のモンゴル人と、中国籍のモンゴル人がいます。同し民族でありながら、中ソ二国の交流が毛薄な時代には、おたがいに対する知識と理解が少なく、親密な関係とは言えない状態が続いていました。
事態が変化したのは1989年の春のことで、中ソ関係の正常化によって、中国ーモンゴル関係も正常化することが決定的になった時のモンゴル人たちの喜びようは大変なものでした。多くのモンゴル人たちはあの中ソの対立時代、最悪の場合には同し民族どうしが殺しあうことになるかも知れないと覚悟していたといいます。状況は一転して、平和共存の時代。
この歴史的変化に伴って、モンゴル人どうしの交流は飛躍的に盛んになり、民族芸術の方面にもその輪は拡っていって民族の文化・音楽を重視しようという方向に向かっていったのです。
ホーミーは気管や口腔で倍音を共鳴させ、同時に二つの音声を発する技巧。
ここに収録されているホーミーは、声帯を震動させながら、気管や口腔で倍音を共鳴させ同時に二つの音声を発する技巧。ホーミーの技巧は中国新疆の北部や旧ソヴィエト領トゥヴァ共和国でも見られ、中国ではホーリンチョール又はコーミジュ、トゥヴァではコーメイと呼ばれ、唐代の作と推定される中国の文献にもホーミーと思われる技巧の記述があります。

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