| 【解説書の一部】 メキシコのアルパ |
| メキシコの熱帯地域に住む人々は「ハローチョ」と呼ばれている。 メキシコ湾岸のベラクルス港、カテマコ湖周辺の熱帯地域は、トロピカルフルーツなど自然の恵みが豊かな地域である。この地方に住む人々は「ハローチョ」と呼ばれている。ベラクルスはスペイン人が入って来る際の入口となった歴史的な町であり、このためハローチョはメキシコの中でも最もスペイン化された人々となった。スペインの影響は音楽に一番顕著に現れている。楽器、言葉の使い方、リズム、旋律、詩、歌などは、16世紀から18世紀にかけてのスペイン植民時代に取り入れられた要素を基盤としている。 ハローチョ音楽はメキシコ音楽の中では、より明るく、楽しいものと言える。演奏者や歌手は、いつ何時でも人を引きつける音楽にしようとしており、聴衆と共に楽しい一時を過ごそうとしているからである。このために、アルパ、ハラナ、レキント・ハローチョで伴奏し、ハローチョ音楽の美しい旋律をいきいきとさせるのである。 ハローチョ音楽を奏でる民族楽器たち。 §アルパ・ハローチャ 木の胴体に32〜36本のナイロン弦を張ったハープ。5オクターヴと少々の音域を全音階でチューニングしてある。1930年以前はこの楽器はもっと小さいサイズであったが、現在ではより大型になった。これにより、音質が良くなり、また立てて弾くことができるようになったため演奏しやすくなった。アルパ演奏者は普通、片方の手で低音の弦を弾いてベースの様に伴奏し、もう片方の手で高音の弦を弾き、アルペジオやメロディーを奏でる。メキシコでは、アルパはゲレーロ、ミチョアカン、ハリスコ(マリアッチの一員として)等の地方でも演奏される。 §ハラナ・ハローチャ ハローチョ音楽で一番よく使われる主要楽器。17世紀にスペインのバロック・ギターをもとにして作られたものと思われる。ギターより小さく、5コースに8弦となっている。ハラナは「ラスゲアード(かき鳴らし)」と呼ばれる奏法でコード演奏をし、ハローチョ音楽にリズムとハーモニーを与える。ソタベント地方では、より小型のハラナがよく使われ、これは「モスキート」と呼ばれる。 §レキント・ハローチョ この楽器はサイズや形はハラナに似ている。4弦しかなく、プラスティックのピックで弾く点がハラナとは異なっている。ハローチャ音楽のメロディーを演奏することもある。 |