| 【解説書の一部】 妙音希聲/深草アキ・ベスト |
| 秦琴とは 二千年以上前の遠い昔、中国の漢帝国、武帝時代に、秦琴の前身とも言える一つの弦楽器が出現しました。晋の時代の傅玄(217〜278)が表わした、《琵琶賦》には次のように書かれています。『前105年、武帝の娘として、「劉細君」※1が、北方異民族国家「烏孫」の王に嫁ぐにあたり、馬上で奏でる楽器を音楽学者達に命じて作らせた。その楽器の形を見るに、空洞の胴体が、天・地を表わし、丸い形の胴とまっすぐな柄が陰陽を表わし、柱(フレット)が十二の律呂に配され、四弦が四つの時(春夏秋冬)に則っている』そんな二千数百年の時の流を汲んだ弦楽器が、秦琴なのです。現在、中国では専門に演奏する人はなく、民間音楽としては、広東省の潮州音楽や道教の音楽等に使われています。 ※劉細君:江都王劉建の娘。政略結婚によって武帝の娘として烏孫の王(昆弥/くんみー)に嫁がされた。 |