| 【解説書の一部】 ブルガリアン・ポリフォニー1 |
| 女性合唱団によるポリフォニックな響きの広がりが人間の魂をゆさぶる。 ブルガリアン・ポリフォニーの響きは、ギリシア神話のイアソンやオテュッセウスたちの冒険の物語に登場する“セイレン”の歌のように、人間の魂をゆさぶり、人生の航路を未知の海へ導いてしまうほどの恐ろしいカを持っています。私もその魔カに惹かれて、豊かなエスニック・サウンドの世界を発見する幸運に恵まれた人間のひとりです。 いま、史上空前ともいえるほど音楽情報に恵まれ、おいしい音楽の昧を知り尽くした人々が増えるに従って、人類のつくる究極の響きのひとつ、ブルガリアン・ポリフォ二ーが熟狂的に受け入れられるようになったのは、必然といってよいでしょう。音楽の本当のぜいたくを知ってしまった人々にとっては、この野性と洗練の極致が共存する驚異的な音世界の響きは、こたえられない醒醐昧のはずです。 各地の村から声の良い娘たちが集められ、プルガリア国立合唱団になった。 フィリップ・クーテフ プルガリア国立合唱団は、1951年にフィリップ・クーテフが各地の村から良い声の娘を選抜して、首都ソフィアに創設以来、ヨーロッパをはじめアメリカ、カナダ、ソビエト、中国など世界各地で千回を越える公演を行ない、その魅カは次第に広く知られるようになってきました。ここ数年ほどのブルガリアン・ポリフォニーの世界的ブームには、目をみはるものがあります。日本にもブルガリアン・ポリフォニーの最高峰ともいえる本家本元の同合唱団が1988年12月に来日して、各地でその魅力を被露しました。 小鳥のさえずり、強烈な二度の不協和音の重なりが聴く者の心を捉える。 この曲にはCMにも使われ、ブルガリア・ブームの火つけ役ともなったおなじみの曲が収録されており、クーテフ合唱団によるこの演奏では、ブルガリアの最高の歌い手といわれるナダカ・カラジョパさんの極めつきの声をお聴きいただくことができます。 「憂鬱な時があっても、ほんの小さな幸せを見逃さないようにと小島が教えてくれた…。」という意味の歌です。小烏のさえずりを模した高い音での鋭いこぶしがくり返し登場し、強烈な二度の不協和音の重なリが次々に趣を変え、聴く者の心を捉えて離しません。 |