「神の島〜バリのガムラン」解説書の英和翻訳(一部)


16世紀に建造されたウブッ王の宮殿で収録した。
私たちがウブッ村を訪ねたときのことだ。赤いコスチュームの舞踊団が楽器を演奏して踊っている様子が目に飛び込んできた。そこは16世紀に建造された宮殿の跡だった。その昔、伝説のウブッ王が建設したものだ。舞踊団が演奏していたのは、その宮殿の中程にある中庭だった。巨大な菩提樹があちらこちらで枝を広げ、竹藪が生い茂っている。木々の梢では野生の猿が叫び声をあげていた。

演奏はウブッ音楽舞踊協会のメンバー、彼らはプロの演奏家ではない。
踊り手たちに話を聞いた。自分たちは「Sekka Gong Bina Remaja Ubud」の者だと言った。これはウブッ音楽舞踊協会という意味だ。彼らはいわゆるアーティストではない。そう呼ばれるとピンとこないらしい。彼らにとって、踊りは生活の一部であり、村全体の大事な仕事なのだ。村としての表現様式でもある。踊り手や楽器の演奏家は、普段は幾重にも緑の段が重なる田んぼで働いている。また、石や木を彫る仕事で生計を立てる者もいれば、刺繍や絵を描いている者もいる。こうした仕事はいつでも手仕事に頼っているわけではない。最近では機械を使うこともある。西洋の工業化の波はどこにでも進出しているが、この牧歌的な農村生活にも押し寄せているのだ。

制作プロデューサー John Matarazzo


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