【解説書の一部】 極寒の歌声
「のど遊び」はイヌイットの特殊な歌謡形式である。
イヌイットの特殊な歌謡の様式として知られているのが“のど遊び”とか“息の歌”などと呼ばれるものである。この盤の採録地であるカナダ東北方のバフィンランド(島)からハドソン湾に向き合って面する地区一帯に典型的に聞かれる歌い方で、これに類似の唱法はアイヌを含むアジアの北方諸民族でも知られている。
「のど遊びは」は女性2人が向かい合い、顔を接近させて演じる。
何に由来する語かは不明だが、バフィンランドでカタッジャック(複数ではカタッジャイット)と呼ばれるこの種ののど遊び歌は、一種の競技形式のゲームである。ふつう2人の女性が向かい合い、顔を接近させて演じる。元来はお互いの唇がほとんど触れ合わんばかりに顔を近づけ、相手の口腔を共鳴体に利用する唱法が一般的だったが、今日ではこれほどの姿勢はあまりとられない。

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